クーリング・オフの書き方と期限|対象になる取引の一覧
最終更新:2026-07-28
クーリング・オフは、特定商取引法で定められた取引について、契約書面を受け取った日から一定期間内であれば無条件で契約を解除できる制度です。訪問販売・電話勧誘販売・特定継続的役務提供などは8日間、連鎖販売取引と業務提供誘引販売取引は20日間とされています。
どの取引がクーリング・オフの対象?
特定商取引法が定める7つの取引類型のうち、通信販売を除く6つが対象です。自分から店に出向いて買った場合や、インターネット通販で買った場合は、この制度の対象外です。
| 取引の種類 | 例 | 期間 |
|---|---|---|
| 訪問販売 | 自宅への訪問、キャッチセールス | 8日間 |
| 電話勧誘販売 | 電話で勧誘を受けて申し込んだ契約 | 8日間 |
| 特定継続的役務提供 | エステ、語学教室、学習塾、美容医療など | 8日間 |
| 訪問購入 | 自宅を訪問して物品を買い取る取引 | 8日間 |
| 連鎖販売取引 | いわゆるマルチ商法 | 20日間 |
| 業務提供誘引販売取引 | 仕事を提供するとして商品を買わせる取引 | 20日間 |
| 通信販売 | ネット通販、カタログ通販 | 制度なし |
通信販売にはクーリング・オフの規定がなく、返品の可否は事業者が表示する返品特約によります。表示がない場合は、商品を受け取った日から8日以内であれば送料を負担して返品できるとされています。
期間はいつから数える?
起算日は、法律で定められた事項が書かれた契約書面(または申込書面)を受け取った日です。その日を1日目として数えるため、8日間の場合は書面を受け取った日を含めて8日目までに通知を発すれば間に合います。
書面が交付されていない場合や、書かれるべき事項が抜けている場合は、そもそも期間が進みません。事業者から「もう期限が過ぎている」と言われたときも、受け取った書面の内容を確認する余地があります。
クーリング・オフの効力は、通知を発した時点で生じます(発信主義)。相手に届いた日ではなく、出した日が期間内であるかどうかで判断されます。
通知には何を書く?
契約年月日、商品名やサービス名、契約金額、販売会社名と担当者名、そして契約を解除する旨。この5点が書かれていれば足ります。理由を書く必要はありません。
- 契約年月日と、契約した商品名またはサービス名
- 契約金額と、販売会社の名称・担当者名
- 「上記の契約を解除します」という意思表示
- 通知した日付と、自分の住所・氏名
- 支払い済みの代金がある場合は、その返還を求める旨と振込先
2022年6月からは、書面だけでなく電子メールなどの電磁的記録による通知も認められています。ただし、いつ発信したかを後から示せるようにしておく点は変わりません。
クレジット契約(個別信用購入あっせん)を利用した場合は、販売会社だけでなく信販会社にも同じ内容を通知します。
クーリング・オフをするとどうなる?
契約は初めからなかったことになります。事業者は損害賠償や違約金を請求できず、受け取った代金は返還されます。商品の引取りにかかる費用も事業者の負担です。
- 支払った代金・頭金は返還される
- 違約金やキャンセル料は請求されない
- 商品の引取り費用は事業者が負担する
- すでに提供されたサービスがあっても、その分の対価は請求されない
- 工事などで住居が変更されている場合は、原状回復を求められる
期間が過ぎてしまったら何もできない?
クーリング・オフはできなくなりますが、別の制度が検討できる場合があります。事実と違う説明を受けていた場合や、帰らせてもらえずに契約した場合には、契約の取消しを主張できる規定が特定商取引法と消費者契約法に置かれています。
また、特定継続的役務提供にあたる契約は、期間の経過後でも中途解約が認められており、その際に事業者が請求できる金額には上限が定められています。
判断に迷う場合は、消費者ホットライン188から、お住まいの地域の消費生活センターに相談できます。
よくある質問
- Q.クーリング・オフの通知は内容証明で出す必要がありますか?
- A.内容証明でなければ無効になるわけではありません。ただし、いつ・どんな内容を発信したかを郵便局が証明するため、期間内に出したことを後から示しやすくなります。
- Q.商品を開封してしまった場合でもクーリング・オフできますか?
- A.使用や消費によって効果が制限されるのは、政令で定められた消耗品を使用した場合などに限られます。開封したことだけで一律に対象外になるわけではありません。
- Q.店舗で契約した場合は対象になりますか?
- A.自分の意思で店舗に出向いて契約した場合は、訪問販売にあたらないため対象外です。ただし路上で声をかけられて店舗へ同行した場合などは、訪問販売として扱われることがあります。
出典
- [1]特定商取引法(取引類型・クーリング・オフ制度の概要)消費者庁
- [2]特定商取引に関する法律(第9条 訪問販売の申込みの撤回等ほか)e-Gov法令検索(デジタル庁)
- [3]消費者契約法(第4条 消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)e-Gov法令検索(デジタル庁)
- [4]内容証明(サービス内容・料金)日本郵便
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