少額訴訟のやり方|使える条件・費用・当日の流れ
最終更新:2026-07-28
少額訴訟は、60万円以下の金銭の支払いを求める場合に簡易裁判所で使える手続きです。原則として1回の期日で審理を終え、その日のうちに判決が出ます。同じ簡易裁判所で年10回までという利用回数の制限があります。
少額訴訟はどんなときに使える?
請求の内容が60万円以下の金銭の支払いであることが条件です。物の引渡しや、謝罪などお金以外を求める請求には使えません。また同じ簡易裁判所での利用は年10回までに制限されています。
- 対象:60万円以下の金銭の支払いを求める請求のみ
- 裁判所:簡易裁判所(原則は相手の住所地。金銭の支払いは義務履行地でも申し立てられます)
- 回数:同一の簡易裁判所で年10回まで
- 審理:原則1回の期日で終了し、その日に判決
60万円は元本の金額で判断します。遅延損害金は請求額に含めて計算しません。
少額訴訟の費用はいくら?
費用は「収入印紙で納める手数料」と「郵便切手(予納郵券)」です。手数料は請求額100万円までなら10万円ごとに1,000円で、請求額60万円なら6,000円になります。
| 請求額 | 手数料 |
|---|---|
| 10万円まで | 1,000円 |
| 20万円まで | 2,000円 |
| 30万円まで | 3,000円 |
| 50万円まで | 5,000円 |
| 60万円まで | 6,000円 |
このほかに、裁判所が相手方へ書類を送るための郵便切手を予納します。必要な金額と切手の組み合わせは裁判所ごとに異なるため、申立先の簡易裁判所に確認します。
申立てから判決までの流れは?
訴状を簡易裁判所に提出し、裁判所が相手に訴状を送り、指定された期日に当事者が出頭して審理を受け、その日に判決が言い渡される、という流れです。期日は申立てから1か月半程度先に指定されるのが一般的です。
- 1
訴状と証拠を準備する
簡易裁判所には少額訴訟用の定型書式が用意されています。契約書・請求書・やり取りの記録など、主張を裏づける証拠も一緒に提出します。
- 2
簡易裁判所に提出する
訴状に収入印紙を貼り、郵便切手を予納します。提出時に「少額訴訟による審理及び裁判を求める」と申述します。
- 3
期日の指定・呼出し
裁判所から相手方に訴状が送達され、審理の期日が指定されます。当日は原則1回で終わるため、証拠と証人はその日に全部出せるよう準備します。
- 4
審理(原則1回)
円卓の法廷で、裁判官を挟んで双方が事情を説明します。裁判官から和解案が示されることもあります。
- 5
判決
審理の終了後、その日のうちに判決が言い渡されます。判決には仮執行宣言が付され、支払われない場合は強制執行に進めます。
相手が通常訴訟を希望したらどうなる?
被告が通常の手続きでの審理を求めた場合、事件は通常訴訟に移行します。この申述に理由は必要なく、こちら側が拒むことはできません。
通常訴訟に移行すると、1回で終わる前提はなくなり、複数回の期日を経て審理が進みます。手続きが長くなるため、少額訴訟を選ぶときは移行の可能性も想定しておきます。
判決に納得できないときは?
少額訴訟の判決に対して控訴はできません。判決書を受け取った日から2週間以内に、判決をした同じ簡易裁判所へ異議を申し立てる方法があります。
異議が認められると、同じ簡易裁判所で通常の手続きにより改めて審理が行われます。1回の期日で終わる代わりに、不服申立ての選択肢が限られる点が少額訴訟の特徴です。
よくある質問
- Q.少額訴訟は弁護士に頼まないと使えませんか?
- A.本人で申し立てられます。簡易裁判所には定型の書式や手続案内が用意されており、本人による利用を想定した手続きです。
- Q.相手の住所が分からない場合はどうなりますか?
- A.訴状を送達できないと手続きが進みません。住民票の取得など、相手の住所を特定する方法を先に検討することになります。
- Q.分割払いの判決が出ることはありますか?
- A.裁判所は、事情に応じて3年を超えない範囲で支払時期の猶予や分割払いを定める判決をすることができます。
出典
- [1]少額訴訟(手続の概要・年10回の制限・不服申立て)裁判所
- [2]少額訴訟で使う書式(訴状の定型書式)裁判所
- [3]手数料(訴額に応じた手数料の額)裁判所
- [4]民事訴訟法(第368条〜第381条 少額訴訟に関する特則)e-Gov法令検索(デジタル庁)
- [5]民事訴訟費用等に関する法律(別表第一 手数料の算定)e-Gov法令検索(デジタル庁)
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