労働審判の流れと費用|あっせんとの違い・申立てから解決まで

最終更新:2026-07-31

労働審判は、労働者と会社の間の個別のトラブルについて、地方裁判所で原則3回以内の期日で話し合いと判断を行う手続きです。労働審判官1名と労働審判員2名が担当し、多くは調停(話し合い)でまとまります。まとまらなければ労働審判が出され、2週間以内に異議が出ると通常訴訟に移行します。

労働審判とはどんな手続き?

答え

労働審判は、解雇や残業代の未払い、ハラスメントなど、労働者と会社の間の個別のトラブルを、地方裁判所で解決する手続きです。労働審判官1名と労働審判員2名の合議体が担当し、原則3回以内の期日で、話し合いによる調停と、まとまらないときの判断(労働審判)を行います。

  • 対象:労働者と事業主の間の個別の労働紛争(解雇、雇止め、残業代・賃金の未払い、ハラスメントなど)
  • 申立先:原則として相手方(会社)の所在地などを管轄する地方裁判所
  • 担当:労働審判官(裁判官)1名と、労働関係の専門家である労働審判員2名
  • 期日:原則3回以内。非公開で行われる

労働組合と会社の対立のような集団的な紛争や、公務員の勤務関係は労働審判の対象外です。対象になるかどうかは、申立先の地方裁判所や労働局の相談窓口で確認できます。

労働局のあっせんと労働審判はどう違う?

答え

あっせんは、各都道府県の労働局が無料で行う話し合いの仲介で、参加も合意も任意です。労働審判は裁判所の手続きで、手数料がかかり、成立した調停や確定した審判には強制執行できる効力があります。まず無料のあっせんや総合労働相談を使い、まとまらなければ労働審判へ、という順で使う人が多い手続きです。

あっせんと労働審判の比較
項目労働局のあっせん労働審判
窓口都道府県労働局地方裁判所
費用無料手数料(収入印紙)+郵便料
相手の参加任意(応じない自由がある)呼出しがあり、欠席には不利がある
中身話し合いの仲介調停+まとまらなければ審判
結果の効力合意すれば民法上の和解調停・確定審判は強制執行が可能

あっせんは相手が話し合いに応じなければ打ち切られます。相手が最初から交渉に応じない見込みなら、あっせんを飛ばして労働審判を選ぶことも考えられます。

労働審判の費用はいくら?

答え

労働審判の申立手数料は、請求額に応じて算定した通常訴訟の手数料の半額です。たとえば請求額が60万円なら訴訟が6,000円、労働審判は3,000円になります。あっせんは無料です。

請求額別の申立手数料(労働審判/参考に通常訴訟も併記)
請求額労働審判通常訴訟
10万円まで500円1,000円
30万円まで1,500円3,000円
60万円まで3,000円6,000円
100万円まで5,000円10,000円

手数料は収入印紙で納めます。このほかに、呼出しなどに使う郵便料金を予納します。必要額と算定は、申立先の地方裁判所または裁判所の手数料の案内で確認します。

申立てから解決までの流れは?

答え

労働審判は、申立書の提出 → 第1回期日(原則40日以内に指定)→ 期日での話し合い(調停)→ 調停成立、または労働審判の言渡し → 2週間以内の異議、という流れで進みます。異議が出ると通常訴訟に移行します。

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    申立書と証拠を提出する

    管轄の地方裁判所に、申立書と、主張を裏づける証拠(雇用契約書、給与明細、やり取りの記録など)を提出します。労働審判は期日が少ないため、最初の申立書で主張と証拠を出し切るのが基本です。

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    第1回期日が指定される

    申立てから原則40日以内に第1回期日が指定されます。労働審判官と労働審判員が、双方から事情と証拠を確認します。

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    話し合い(調停)で解決を探る

    多くの事件は、期日での話し合いによる調停でまとまります。調停が成立すると、その内容は裁判上の和解と同じ効力を持ち、守られないときは強制執行ができます。

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    まとまらなければ労働審判が出される

    調停が成立しない場合、合議体が事案に即した解決案として労働審判を言い渡します。金銭の支払いや解雇の扱いなどについて判断が示されます。

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    2週間以内の異議で訴訟へ

    労働審判に不服がある側は、告知から2週間以内に異議を申し立てられます。異議が出ると労働審判は効力を失い、申立ての時に訴えの提起があったものとして通常訴訟に移行します。

期日は原則3回以内で、第1回期日までの準備期間も短い手続きです。証拠がそろっていないまま申し立てると不利になりやすいため、申立て前に手元の資料を整理しておくことが重要です。

ハラスメントや不当解雇でも使えますか?

答え

使えます。パワハラ・セクハラによる損害の賠償や、不当解雇の撤回・未払賃金の請求など、労働者と会社の個別のトラブルは労働審判の対象です。まず社内の相談窓口や労働局の総合労働相談・あっせんを試し、解決しなければ労働審判、それでもまとまらなければ通常訴訟、という順に進むのが一般的です。

ハラスメントの事案では、いつ・どこで・誰が・何をしたかを記録したメモや、メール・チャットの履歴、録音などの証拠が結論を大きく左右します。内容証明で会社に是正や賠償を求めた記録も、経緯を示す資料として役立ちます。

争点が複雑な事案や、高額の請求で会社が全面的に争ってくる見込みの事案では、労働審判より初めから通常訴訟が向くこともあります。見通しの判断に迷うときは、弁護士や法テラスの相談を利用できます。

よくある質問

Q.会社を辞めた後でも労働審判は使えますか?
A.使えます。退職後でも、在職中の未払賃金やハラスメント、解雇の効力を争う個別の労働紛争であれば、労働審判の対象になります。
Q.弁護士をつけなくても申し立てられますか?
A.本人でも申し立てられます。ただし期日が原則3回以内と少なく、最初の申立書で主張と証拠を出し切る必要があるため、準備の負担は小さくありません。見通しに不安があるときは弁護士や法テラスの相談を利用できます。
Q.あっせんと労働審判は、どちらを先に使うべきですか?
A.決まった順序はありませんが、まず無料で使える労働局の総合労働相談やあっせんを試し、相手が応じない、またはまとまらない場合に労働審判へ進む人が多い手続きです。

出典

  1. [1]労働審判手続(手続の概要・審判・異議)裁判所
  2. [2]手数料(労働審判は通常訴訟の半額)裁判所
  3. [3]個別労働紛争解決制度(総合労働相談・助言指導・あっせん)厚生労働省
  4. [4]総合労働相談コーナーのご案内厚生労働省
  5. [5]労働審判法(合議体・期日・審判・異議)e-Gov法令検索(デジタル庁)
  6. [6]個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律(あっせんの根拠)e-Gov法令検索(デジタル庁)

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