通販・ネット取引の返金を求める手順|届かない・違う・返品拒否

最終更新:2026-08-03

ネット通販の返金は、注文と支払いの記録の整理 → 事業者への連絡 → 書面での請求 → 裁判所の手続き、という順で進めます。通信販売にはクーリング・オフの制度がなく、返品の可否はまず事業者が表示する返品特約によります。返品特約の表示がない場合は、商品を受け取った日から8日以内であれば送料を負担して返品できます(特定商取引法15条の3)。

通販にクーリング・オフはある?

答え

ネット通販やカタログ通販などの通信販売には、クーリング・オフの制度はありません。返品できるかどうかは、まず事業者が表示している「返品特約」によります。ただし、返品特約の表示がない場合は、商品を受け取った日から8日以内なら送料を自分で負担して返品できます(特定商取引法15条の3の法定返品権)。

これは「事業者に落ち度がなくても返品できるか」という話です。商品が届かない・注文と違う・壊れているといった事業者側の問題がある場合は、次の項目のとおり別の考え方で返金を求められます。

返金を求める前に何を揃えればいい?

答え

「いつ・どこで・いくらの何を注文し、どう支払ったか」を書類で示せる状態にします。注文確認メール・支払いの記録・返品特約の表示・事業者とのやり取りの4点が揃っていれば、その後どの手続きに進んでも通用します。

  • 注文確認メール、注文番号、商品ページのスクリーンショット
  • 支払いの記録(クレジット明細、コンビニ払込票、決済サービスの履歴)
  • 販売ページに表示されていた返品特約・キャンセル条件のスクリーンショット
  • 事業者とのメール・問い合わせフォーム・チャットのやり取り

販売ページや返品特約は後から書き換えられることがあります。トラブルに気づいた時点で、日付が分かる形で保存しておきます。

商品が届かない・違うものが届いたときは?

答え

事業者には注文どおりの商品を引き渡す義務があります。届かない・違う・壊れているといった場合は、まず期限を決めて履行を求め、それでも応じないときは契約を解除して代金の返還を求められます(民法541条・542条)。返品特約の有無にかかわらず主張できます。

  1. 1

    事業者に連絡し、記録を残す

    問い合わせフォームやメールで状況を伝え、いつ・どう対応するかを確認します。電話だけで済ませず、やり取りが残る方法を併用します。

  2. 2

    期限を決めて履行を求める

    「◯日までに発送(交換・返金)してほしい」と期限を切って求めます。この催告が、後の契約解除の前提になります。

  3. 3

    応じなければ契約解除と返金を求める

    期限までに対応がなければ契約を解除し、支払った代金の返還を書面で請求します。相手が連絡を絶っている場合は内容証明が有効です。

「初回無料」のはずが定期購入だった場合は?

答え

申込みの最終確認画面で、定期購入であることや総額・解約条件が分かるように表示することは、事業者の義務です(特定商取引法12条の6)。この表示で誤認させられて申し込んだ場合は、申込みの意思表示を取り消せることがあります(同法15条の4)。

まずは注文時に表示されていた画面のスクリーンショットや、規約の解約条件を確認します。定期購入だと気づけない表示だった場合は、その画面自体が主張の根拠になります。

事実と違う説明や、必ず儲かるといった断定的な説明で契約させられた場合は、消費者契約法4条により契約を取り消せることがあります。

事業者が応じないときはどう請求する?

答え

返金に応じない・連絡が取れない場合は、内容証明郵便で返金を請求し、それでも支払われなければ裁判所の手続き(少額訴訟・支払督促・通常訴訟)を検討します。少額訴訟は60万円以下の金銭請求が対象で、原則1回の期日で判決が出ます。

内容証明そのものに支払いを強制する力はありませんが、「いつ・いくらを、どの事業者に請求したか」を記録に残せます。相手に請求の本気度を伝える意味もあります。

判断に迷う場合は、消費者ホットライン188から、お住まいの地域の消費生活センターに相談できます。

よくある質問

Q.自己都合で返品したいだけでも返金してもらえますか?
A.事業者に落ち度がない場合は、まず販売ページの返品特約に従います。返品特約の表示がなければ、商品を受け取った日から8日以内に限り、送料を自分で負担して返品できます(特定商取引法15条の3)。
Q.フリマアプリの個人間取引でも同じですか?
A.特定商取引法は事業者を対象とするため、相手が事業者でない個人の場合はこの法律の返品ルールは直接は及びません。ただし、商品が説明と大きく違うといった場合は、民法上の契約解除や損害賠償を主張できることがあります。
Q.クレジットカードで払った場合、カード会社に止められますか?
A.販売会社に主張できる事由がある場合に、割賦販売法の抗弁の接続などでカード会社への支払いを一時停止できることがあります。まずはカード会社と販売会社の両方に、事実と請求内容を記録が残る形で伝えます。

出典

  1. [1]特定商取引法(通信販売・返品特約・定期購入の表示規制の概要)消費者庁
  2. [2]特定商取引に関する法律(第15条の3 通信販売の契約解除等/第12条の6・第15条の4 定期購入)e-Gov法令検索(デジタル庁)
  3. [3]消費者契約法(第4条 消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)e-Gov法令検索(デジタル庁)
  4. [4]民法(第541条 催告による解除/第542条 催告によらない解除)e-Gov法令検索(デジタル庁)
  5. [5]少額訴訟(手続の概要・60万円以下の要件)裁判所
  6. [6]内容証明(サービス内容)日本郵便

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